※2019/8/31追記
一番下に内容を書いておりますのでご確認ください。
<NF2患者への可能性>
近年、人工内耳を使用する難聴者が増加しています。
保険適用の拡大と人工内耳の性能が向上しているからです。
NF2の患者にわずかではありますが人工内耳が有効な症例も報告されています。
※参考文献 英文論文 日本語訳
<人工内耳各メーカー>
1.日本コクレア 2.アドバンスドバイオニクス社 3.メドエル
これより近畿大学医学部附属病院耳鼻咽喉科 土井 勝美教授にお話しを伺って参りましたので教授のお話しを交えて解説いたします。
<残存聴力活用型の人工内耳>
残存聴力活用型の人工内耳は、残存聴力を残しつつ聴き取れなくなった音域をカバーします。人工内耳を埋め込むと95%の人が残存聴力を保持できるのに対し、5%の人が現状より聴力が落ちます。原因は蝸牛神経(聞こえの神経)に傷がついていた場合です。
<NF2患者の人工内耳>
NF2患者には2つのケースがあります。
①NF2の方が先に人工内耳を埋め込んでから聴神経腫瘍の手術を受ける
⓶聴神経腫瘍の手術を受けてから人工内耳を埋め込む
蝸牛神経はとても大切です。聴神経腫瘍の手術時に蝸牛神経の温存を脳外科医にお願いしましょう。NF2患者の場合、埋め込んだ人工内耳と腫瘍を共存することが必要になり、人工内耳の効果が出ていても腫瘍の増大とともに聴力が低下してきます。もし蝸牛神経に傷がついたら人工内耳の効果が出ない場合があります。
<人工内耳の音入れとリハビリテーション>
人工内耳は、元の音声と人工内耳を通しての音声に違いがあります。その為、脳に音声を覚えさるためにリハビリテーションが必要です。
人口内耳を通して聞く音は、個人差があり、本来は機械的に合成された音ですので、しっかりしたリハビリテーションが必要となります。本人の継続的な積極性と、家族の支援が必要になります。
NF2患者にとって、効果が出ることでQOLが向上することが何よりです。(効果は個人差があります。)
人工内耳は今後も更に進化し続け、適用の拡大と治療成績のさらなる向上が期待されています。
※論文は土井教授に許可をいただき掲載しています。
※人工内耳については主治医とよくご相談ください。
※人工内耳装用後の頭部MRI検査ではインプラント周辺部分はインプラントのマグネットの有り無しに関わらず画像が不鮮明になってしまいますので
主治医とご相談ください。