患者と家族の心のケア

<患者と家族の心のケア>
神経線維腫症2型は長期にわたる疾患です。
発症年齢、孤発なのか、遺伝なのか、手術数、障碍の程度、年齢、家族形態により、この病気を抱えながらの生活も、一人一人違います。
患者さん本人は進行、経過観察の中で、ぐるぐると障碍受容の5段階(受容参照)を繰り返すと言われ、加齢や人生経験、家族や社会との関係により、変化もしていきます。
家族の心のケアも必要になってきます。
神経線維腫症2型に限らず難病を告知をされると、家族全体に変化が生まれます。
初めて聞く病名、MRI画像に本人のみならず、家族もどうしてよいか分からなくなってしまうのではないでしょうか。
「なぜ?」「どうして?」という気持ちが、起こり、同病者との交流やインターネットなどから情報を集め、疑問を解決しようとする人もいれば、現実を受け入れられず、拒否する気持ちが起こる患者さん、ご家族もいます。
これは、一人一人の受け入れ方の違いで、どれも肯定できる感情です。
そして、家族も精神的な問題や、手術などの患者さん本人の身の回りのお世話という現実的な問題、家族の中での役割の変化、経済的な問題などさまざま事に対応していかなければなりません。
ご家族は、「本人とどのように接したらいいのか」と戸惑う事も少なくなく、「本人が頑張っているのに、家族が弱音を吐いてはいけない」とご家族自身が精神的負担を感じられているケースが多いです。
または、患者さん本人とご家族との気持ちのバランスが一時的に崩れてしまうケースもあります。
慢性化することによるさまざまな問題も出てきます。
<ストレス>
ストレスとは、ある出来事(ストレッサー)や、その出来事を経験したことで生じる心身の反応のことです。
診断、病状の説明、治療の経過、再発など様々な出来事を経験すると、私たちは、不安や落ち込み、悲しみや絶望感を感じ、眠れなくなったり、食欲がなくなり食事が喉を通らなくなるなど、心も体も大きく動揺します。
一方で、私たちは、ストレスを受けて体調を崩しても、一定の休息をとれば、もとの状態に回復する力(ホメオスタシス)も持っています。この力が十分に発揮できるように、ストレスを上手くコントロールすることが大切です。

投稿日:2018年10月9日 更新日: