病気の基礎知識

脊髄腫瘍

投稿日:

脊髄腫瘍は稀な疾患で、おおよその発生頻度は年間人口10万人あたり1-2人程度です。   発生場所は、脳および脊髄を包む膜(硬膜)を境界として、硬膜の外側(硬膜外)および内側(硬膜内)に大きく分類されます。硬膜内腫瘍はさらに脊髄内および脊髄外腫瘍の2つに分類されます。腫瘍の発生場所により、治療方針、手術難易度あるいは神経症状の回復が異なります。

腫瘍の種類として脊髄髄膜腫、脊髄嚢胞性病変、上衣腫等々があります。中でも脊髄神経鞘腫が全脊髄腫瘍の約30%を占めています。脊髄神経鞘腫は、脊髄の表面あるいは枝(神経根)の神経鞘から発生する脊髄腫瘍で、基本的には良性腫瘍です。

脊髄良性腫瘍の場合は、全摘出を目的に手術します。全摘出できれば、その時点で治癒と判断できます。脊髄腫瘍の一般的な治療方針は、術前症状が 術後回復に比例するため、診断確定した後は早々に手術が望ましいとされています。つまり、症状が軽度であれば、それだけ術後回復も良好となりますが、未治療で放置した場合には運動障害あるいは歩行障害が徐々に悪化します。高度に悪化した脊髄障害は、どのような治療を行っても回復することが難しくなります。

※大阪市立大学医学部附属病院 「病状及び治療方針に関する説明書」より。                            脳神経外科 内藤先生に許可を頂き掲載させていただきました。

 

-病気の基礎知識


comment

メールアドレスの入力は任意です。(公開されることはありません)

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください